SPECIAL CONTENTS / INTRODUCTION
AI時代のデータベース入門
入門編:データベースって、そもそも何?
業務アプリの中身は、つきつめると「データをどう持つか」です。まずは、データベースとは何か、Excelと何が違うのか、よく名前を聞く製品は何が違うのかを、経営者の目線で押さえます。
01 データベースとは
データベースは、
「たくさんの表を、壊れないように、
みんなで安全に使う仕組み」
中身はExcelに似ています。「生徒」「先生」「授業」のような表があり、表は行(1件)と列(項目)でできています。
| 生徒番号 | 氏名 | 学年 | 入塾日 |
|---|---|---|---|
| 1 | 浅間 一郎 | 中2 | 2026-04-01 |
| 2 | 上昇 花子 | 小6 | 2026-05-12 |
| 3 | 軽井沢 太郎 | 高1 | 2026-06-03 |
表(テーブル)
生徒・先生・授業などのまとまり
行(レコード)
1人分・1件分のデータ
列(カラム)
氏名・学年などの項目
02 Excelとの違い
Excelで回らなくなる理由
Excelは、1人で表を作って眺めるには最高の道具です。ただ、複数の人が毎日書き込む業務になると、次の違いが効いてきます。
| Excel | データベース(PostgreSQLなど) | |
|---|---|---|
| 同時に複数人が使う | 上書き・衝突が起きやすい | 同時に使っても矛盾しない |
| 入れてよい値 | 人が気をつける | 「金額は数字のみ」「必須項目」を仕組みで強制できる |
| 途中で失敗したとき | 中途半端な状態が残る | 「全部成功」か「全部なかったことに」のどちらか |
| 見られる範囲 | ファイルを渡せば全部見える | 表や行の単位で、見られる人を制限できる |
| 量 | 数十万行で重くなる | 数百万行でも扱える |
| 履歴 | 上書きすると前の値は消える | 変更の記録を残す設計ができる |
同時に複数人が使う
- Excel
- 上書き・衝突が起きやすい
- データベース(PostgreSQLなど)
- 同時に使っても矛盾しない
入れてよい値
- Excel
- 人が気をつける
- データベース(PostgreSQLなど)
- 「金額は数字のみ」「必須項目」を仕組みで強制できる
途中で失敗したとき
- Excel
- 中途半端な状態が残る
- データベース(PostgreSQLなど)
- 「全部成功」か「全部なかったことに」のどちらか
見られる範囲
- Excel
- ファイルを渡せば全部見える
- データベース(PostgreSQLなど)
- 表や行の単位で、見られる人を制限できる
量
- Excel
- 数十万行で重くなる
- データベース(PostgreSQLなど)
- 数百万行でも扱える
履歴
- Excel
- 上書きすると前の値は消える
- データベース(PostgreSQLなど)
- 変更の記録を残す設計ができる
Excelを捨てる、という話ではありません
03 PostgreSQLとNeon
PostgreSQLは「金庫の仕組み」、
Neonは「貸金庫サービス」
PostgreSQL(ポストグレスキューエル)は、30年以上使われ続けている無料のデータベースです。世界で最も信頼されているデータベースの一つで、浅間上昇AIのアプリも使っています。
ただ、PostgreSQLは「仕組み」なので、動かすサーバーが必要です。Neon(ネオン)は、そのサーバーの用意・保守・バックアップを引き受けてくれるクラウドサービスです。
| Neonの特徴 | 経営者にとっての意味 |
|---|---|
| サーバー管理がいらない | 故障対応や更新を自社で抱えなくてよい |
| 使っていないときは休む | 小さな業務アプリなら費用を抑えやすい |
| 本番のコピー(ブランチ)をすぐ作れる | 本番を壊さずに、新しい機能を試せる |
| 過去の時点に戻せる | 誤操作があっても、契約の範囲で巻き戻せる |
サーバー管理がいらない
- 経営者にとっての意味
- 故障対応や更新を自社で抱えなくてよい
使っていないときは休む
- 経営者にとっての意味
- 小さな業務アプリなら費用を抑えやすい
本番のコピー(ブランチ)をすぐ作れる
- 経営者にとっての意味
- 本番を壊さずに、新しい機能を試せる
過去の時点に戻せる
- 経営者にとっての意味
- 誤操作があっても、契約の範囲で巻き戻せる
業務アプリの中での位置づけ
利用者のブラウザ
画面を開く・入力する
Vercel(お店)
画面とプログラムが動く場所
Neon(倉庫)
データが眠る場所(PostgreSQL)
04 有名なデータベース
OracleとPostgreSQLは、何が違う?
どちらも同じ「表で管理する」タイプで、使う言葉(SQL)もほぼ共通です。いちばんの違いは、費用と、誰が作っているかです。
| Oracle Database | PostgreSQL | |
|---|---|---|
| 作っているのは | 米Oracle社 | 世界中の開発者のコミュニティ(無料で公開) |
| 費用 | ライセンスが高額。CPUの数などで課金 | ソフトは無料。費用はサーバー代(Neonなど) |
| 主な利用者 | 銀行・保険・官公庁・大企業の基幹システム | スタートアップから大企業まで。新しく作るWebサービスの定番 |
| 強み | 超大規模・止められないシステム向けの機能と手厚い公式サポート | 機能が豊富で拡張しやすい |
| たとえるなら | 専属の整備士が付く業務用の大型トラック | 無料で手に入る高性能な乗用車 |
作っているのは
- Oracle Database
- 米Oracle社
- PostgreSQL
- 世界中の開発者のコミュニティ(無料で公開)
費用
- Oracle Database
- ライセンスが高額。CPUの数などで課金
- PostgreSQL
- ソフトは無料。費用はサーバー代(Neonなど)
主な利用者
- Oracle Database
- 銀行・保険・官公庁・大企業の基幹システム
- PostgreSQL
- スタートアップから大企業まで。新しく作るWebサービスの定番
強み
- Oracle Database
- 超大規模・止められないシステム向けの機能と手厚い公式サポート
- PostgreSQL
- 機能が豊富で拡張しやすい
たとえるなら
- Oracle Database
- 専属の整備士が付く業務用の大型トラック
- PostgreSQL
- 無料で手に入る高性能な乗用車
ほかによく聞く名前
| 名前 | 種類 | よく使われる場所 |
|---|---|---|
| MySQL | 表で管理 | WordPressのサイトやネットショップ。Webで長く広く使われてきた |
| SQL Server | 表で管理 | Microsoftの業務用。Windows中心の企業の社内システム |
| SQLite | 表で管理(ファイル1つ) | スマホやパソコンのアプリの中。小さなアプリの練習にも |
| MongoDB | 表を使わない(書類型) | 形が決まっていないデータをそのまま保存 |
| Redis | 表を使わない(メモリ) | ログイン状態などの超高速な一時置き場 |
| BigQuery・Snowflake | 分析専用 | 何億件ものデータの集計・経営分析 |
MySQL
- 種類
- 表で管理
- よく使われる場所
- WordPressのサイトやネットショップ。Webで長く広く使われてきた
SQL Server
- 種類
- 表で管理
- よく使われる場所
- Microsoftの業務用。Windows中心の企業の社内システム
SQLite
- 種類
- 表で管理(ファイル1つ)
- よく使われる場所
- スマホやパソコンのアプリの中。小さなアプリの練習にも
MongoDB
- 種類
- 表を使わない(書類型)
- よく使われる場所
- 形が決まっていないデータをそのまま保存
Redis
- 種類
- 表を使わない(メモリ)
- よく使われる場所
- ログイン状態などの超高速な一時置き場
BigQuery・Snowflake
- 種類
- 分析専用
- よく使われる場所
- 何億件ものデータの集計・経営分析
給与・会計・授業の記録には「表で管理するタイプ」
05 Microsoft Accessは今
Accessの経験は、
そのまま今の開発に活きる
Accessは今も使えますが、Windows版だけで、Webで使う機能は2018年に終了しました。新しい業務システムの主役ではなくなっています。それでも、Accessで「表を設計し、フォームで入力し、レポートで出す」をやっていた経験は、そのまま通用します。
| Accessでの部品 | 今のWebアプリでの該当 |
|---|---|
| テーブル | PostgreSQLの表(Neon) |
| クエリ | SQL(データを取り出す・集計する命令) |
| フォーム | Webの入力画面(Next.js) |
| レポート | PDFの帳票・Excel出力 |
| VBA(マクロ) | TypeScriptのプログラム |
| 共有フォルダのファイル | インターネット上のサーバー(Vercel+Neon)。スマホからも使える |
テーブル
- 今のWebアプリでの該当
- PostgreSQLの表(Neon)
クエリ
- 今のWebアプリでの該当
- SQL(データを取り出す・集計する命令)
フォーム
- 今のWebアプリでの該当
- Webの入力画面(Next.js)
レポート
- 今のWebアプリでの該当
- PDFの帳票・Excel出力
VBA(マクロ)
- 今のWebアプリでの該当
- TypeScriptのプログラム
共有フォルダのファイル
- 今のWebアプリでの該当
- インターネット上のサーバー(Vercel+Neon)。スマホからも使える
06 経営者が押さえること
技術の名前より、この4つ
01
データの置き場所
どの会社のサービスの、どの国のデータセンターにあるか。お客様に聞かれたときに答えられるように。
02
接続情報は金庫の鍵
データベースにつなぐ文字列(パスワード入り)が漏れると、データを直接触られます。チャットやコードに貼らない。
03
表の形を変える作業は慎重に
列を足す・表を作る(マイグレーション)は本番では取り消しが難しい。確認用の環境で試してから、人が判断して本番へ。
04
バックアップと巻き戻し
どこまで過去に戻せるかは契約で変わります。大事なデータの本番では最初に確認を。
自社のデータを、
どう持つべきか一緒に整理します。
Excelのままでよいのか、既存のサービスで十分か、小さな専用アプリにするべきか。業務の聞き取りから一緒に考えます。ご相談は無料です。