Case Study · 営業
繁忙期でも、家庭ごとの提案を現場で出せる型に
週40件弱の面談でも個別資料が作れるよう、知識と禁止事項を蓄積して自動作成。特定の人しか書けない提案から脱する。
講義用のデモではありません。面談資料の質が成約を左右する現場で、経営者が「毎回同じ品質で、家庭ごとに個別提案できる型」を先につくり、繁忙期でも回している事例です。部下に「AIで資料を作れ」と渡すだけでは、形式も禁止事項も安定しません。
01
課題
繁忙期だと、1週間で合計40件弱の面談が入ることがあります。そのたびに、ご家庭ごとの状況に合わせた資料が必要です。しかし手作業では、入塾面談資料を大まかな対象別(中学受験・高校受験・大学受験など)に分けるのが精一杯で、3者面談・保護者面談まで個別に作り込む余裕はありませんでした。前回面談からの変化や模試の詳細分析を載せることも難しく、良い提案資料が特定の人に属人化していました。
02
従来
都度、資料を手で組み立てるか、対象別の型を流用するしかありませんでした。単発でAIに資料作成を頼む方法もありますが、毎回関連資料を読み込ませ直す必要があり、アウトプットの形式も安定しません。禁止事項や必須項目、過去のナレッジを漏れなく反映し続けるのも困難で、現場に「AIで作って」と任せきれない状態でした。
03
どう変えたか
仕組みを先に設計し、実際のスライド作成を通じて磨いていきました。単発のプロンプトで終わらせず、社内Wikiのような知識フォルダ(Obsidian Vault)を、AIが毎回同じ前提を読める形に整理しています。定型部分は自動で読み込ませ、必須項目・禁止事項・学校別の知識を再利用できるようにしました。その結果、毎回同じ型の上に、その家庭だけの提案を載せられます。経営者が型を持ち、あとは現場が回せるようにするための設計です。この型は、提案型営業をはじめ、他の業務の提案書づくりにも応用できます。
04
成果
繁忙期でも、ご家庭ごとに最適化した面談資料を出せるようになりました。前回面談からの変化や模試などの詳細分析まで資料に含められます。知識と禁止事項が蓄積されるため、作成を重ねるほど品質が安定し、成果物自体も次の面談に活きる形で熟成していきます。特定の人しか書けない提案から、型に沿って現場で出せる提案へ移っています。
仕組み
資料を安定して量産する仕組み
Obsidian Vaultとは
Obsidianは、Markdownのノートをフォルダで管理するメモアプリです。その保管庫全体をVaultと呼びます。ここでは「社内Wiki+ルール集+過去事例の倉庫」として使い、AIに毎回同じ前提を読ませられるようにしています。チャットに頼り切らず、知識を資産として残すための土台です。
Vaultで知識を蓄積・再利用
過去の資料・面談記録・学校別の知識・禁止事項・修正指示をVaultに集約し、AIが毎回参照しやすい形に整えています。作るほど次の提案に活き、品質が積み上がります。
定型部品をモジュール化
授業スケジュール、無料学習相談の必須スライド、講習案内、料金表、高校受験の参考資料などを部品化し、必要なときに組み込めるようにしています。金額など変わりやすい情報は出どころを一か所に集約しています。
個別インプットでpptxを生成
学年・志望校・模試結果・前回からの変化など、その面談に必要な情報を入れ、定型フォーマットの上に個別提案を載せてPowerPointを生成します。
画面
実際の資料例(個人情報は架空表記)

入塾面談:表紙
無料学習相談(入塾面談)資料の表紙。学年・志望に合わせて、その日話す論点を先に置きます。

入塾面談:ご提案(スケジュール)
必須の授業スケジュール部品と、体験→提案→模試→9月計画の流れを1枚にまとめた提案スライドです。

入塾面談:必須スライド(当校の特徴)
無料学習相談に必ず入れる定型4枚の一例。Vaultとモジュール化により、毎回同じ品質で差し込めます。

3者面談:表紙
塾生向け3者面談資料の表紙。模試分析と夏期提案など、その回のテーマを冒頭で示します。

3者面談:前回からの変化
4月→7月の模試結果を比較。以前は作れなかった、前回面談からの変化と詳細分析を資料化しています。

3者面談:志望校の現在地
志望校ごとの判定と基準との差を一覧化。個別最適化した面談資料の中核です。

保護者面談:表紙
保護者面談資料の表紙。入塾後の初回報告など、3者面談とは別フォーマットで運用します。

保護者面談:授業でのご様子
できるようになったことと課題を整理して共有。点数だけでなく、学習の土台づくりを伝える資料です。

保護者面談:学校と塾の役割
学校で育つ力と塾が受け持つ部分を分けて説明。知識ベースに蓄積した説明の型を再利用しています。
学べること
この事例から持ち帰れること
- 提案の質は成約を左右します。定型の上に個別を載せる型は、提案営業全般に使えます。
- 部下に単発でAIを使わせると、毎回前提が消え、形式も禁止事項もぶれます。知識の置き場を先に持つのは、経営の仕事です。
- 必須項目と禁止事項を先に固定すると、量産しても品質が落ちにくくなります。
- 知識をフォルダに残す考え方は、営業資料以外の分野でも使えます。目的はツールの操作ではなく、現場が回せる型を残すことです。
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NEXT STEP
このような仕組みを自社でも作りたい方へ
入口は、現場の知見をフォルダに残して回す知識基盤と、公式サイトを自分で直せるようにするHP構築、提案を現場に渡せる型にする営業資料です。営業資料は自社の既存資料・商品資料・過去提案をもとに、実際に使う提案資料1種類を型化します。パッケージに収まらない固有課題は、実践・個別伴走で経営者自身が型をつくり、現場に渡せるところまで伴走します。開校案内が決まり次第お知らせします。