浅間上昇AI Academy

CASE STUDY / 個人用ツール

株式投資の効率的な仕組みをAIで実装

ChatGPT Sites × CSV × 自分の判断メモ

自分だけが使う道具なら、小さく作って使いながら直す。代表自身の投資情報の整理を題材に、ChatGPT Sitesで必要な機能を形にしました。

← 実装・自動化実績へ

まず、自分が繰り返す作業を道具にする

証券会社の画面で保有状況を確認し、気になる銘柄を調べ、以前の判断を思い出す。そのたびに散らばる情報とメモを、一つの場所に残したい。ここから始めた個人用の投資支援ツールです。

複数の利用者に提供する本格的なサービス開発までは行わず、自分専用の用途に絞ってChatGPT Sitesを利用しました。AIに要件を伝えて画面と保存機能を作り、実際のCSVを使って確かめ、使いにくいところを直しています。

用途

自分専用の情報整理

実装の範囲

取り込み・監視・記録

人が担うこと

情報確認と最終判断

道具の選び方 / ChatGPT Sites

ChatGPT Sitesとは? 作って、ブラウザで使える形にする機能

ChatGPT Sitesは、作りたい内容を伝え、WebサイトやWebアプリを作成・修正し、ホスティングまで進められる機能です。ホスティングとは、作ったものをインターネット上の環境に置き、URLから使えるようにすること。公開先のサーバーを別途組み立てる手順を減らして、動く道具にできます。

たとえば今回なら、「CSVを読み込んで一覧にしたい」「銘柄ごとにメモを残したい」と必要な操作を伝えます。できた画面を確認し、「投資信託が認識されない」「下の銘柄を選ぶと詳細が見えない」と具体的に修正を依頼する。この往復で、自分が使える形へ近づけました。

伝える

誰が、何を入力し、どんな結果を残したいかを言葉にする。

使って確かめる

画面だけでなく、集計結果や保存後の再表示を確認して直す。

URLから使う

利用できる相手を確認して配置し、後から開いて使い続ける。

必要に応じてデータ保存やアクセス設定も扱えます。ただし、希望する保存方法や誰が見られるかは設計・確認が必要です。今回も、作成しただけで完成とせず、保存・再表示・集計を検証しました。

機能の確認先:OpenAI公式「Sites」解説。利用できるプラン、上限、提供条件は変わるため、利用時に確認します。

なぜ、今回は浅間AIの標準Web構成にしなかったのか

浅間上昇AIの標準的なWeb開発では、画面や処理を作るNext.js、公開環境のVercel、データを保存するNeon / PostgreSQL、コードと変更履歴を管理するGitHubなどを組み合わせます。Claude Code等で実装を進め、要件整理・検証・本番運用まで設計します。複数の人が継続して使う業務や、顧客に引き渡す仕組みでは、環境や運用を自分たちで管理できることに意味があります。

今回の目的は、自分一人の「CSVを確認し、調べ、メモを残す」という作業を使いやすくすることでした。顧客への提供、社員ごとの権限、会社の他システムとの連携は、今回の要件にありません。まず日常で使えるかを試す段階で、標準構成の各サービスの準備や管理まで広げる必要はないと判断しました。

今回:Sitesで小さく始める

  • 使う人と目的を、自分一人の作業に絞る。
  • 作成・修正・ホスティングを同じ流れで進める。
  • 準備を広げすぎず、実際に使って必要な機能を見極める。
  • 提供される機能・利用条件の範囲で運用する。

標準構成:業務に合わせて組み立てる

  • 利用者の役割や業務の例外まで整理する。
  • 公開環境、保存先、連携先を要件に合わせて選ぶ。
  • 検証環境、障害対応、バックアップ、保守の担当を決める。
  • 構成を選べる自由とともに、設定・費用・管理も引き受ける。

これはSitesでは業務アプリを作れない、という区分ではありません。今回の規模と目的に対する選択です。標準化しているのは「毎回同じ技術を使うこと」より、用途・データ・利用者・運用を確かめてから作る進め方です。

浅間上昇AIの標準開発・運用の考え方を読む →

作り方と、完成後にAIを呼ぶかは別の判断

Sitesは、この道具を作って動かすために選んだ機能です。一方、銘柄分析をアプリ内で自動実行するかどうかは、AI APIをつなぐかという別の設計です。Sitesで作ったから、自動的にAI分析が組み込まれたり、そのAPI料金まで含まれたりするわけではありません。

今回は「道具づくりはSitesで手軽に」「深掘りは別のChatGPTで必要なときに」と分けました。自分でコピーする手間が大きくなったらAPI連携を検討し、利用者・データ・業務が広がったら公開環境を含めた構成を見直します。APIを足すことと、アプリ全体を標準構成へ移すことも、別々に判断できます。

見直す目安は、他の人にも使ってもらう、顧客情報を扱う、役割ごとに閲覧・編集権限を分ける、他システムと連動させる、停止やデータ消失が業務に影響する、といった変化です。その時点で現在の機能・条件で足りるかを確認します。別構成への移行も、コードやデータをそのまま移せると決めつけず、必要な作業を見積もります。

小さな個人用の道具には、目的に合う手軽さを。業務を支える仕組みには、その責任に合う設計を。必要になった段階で広げられるよう、まず用途を絞って確かめることを重視しました。

何を、ひとつにつないだか

CSVをまとめて取り込む

証券会社から取得した複数ページのCSVを読み込み、国内株式と投資信託を整理。同じ銘柄の複数口座をまとめ、件数と合計額を照合します。

保有していない銘柄も監視する

CSVにない銘柄を手動で追加できます。保有数ゼロの銘柄や売却した銘柄も監視対象に残し、保有資産と分けて管理します。

自分の条件を残す

監視する理由、買い増し・売却を検討する条件、確認したい価格を銘柄ごとに保存。次に開いたときも同じ前提から考えられます。

検討結果を次回につなぐ

ChatGPTの回答と自分の判断・メモを保存し、後から開いて修正できます。保存するのは最新の内容で、変更履歴を比較する機能はありません。

保有と監視を、一つの場所で

機能説明用の模式図 / 実際のアプリ画面ではありません

銘柄一覧

サンプルA社

保有・監視中

サンプル投信

保有・監視中

サンプルB社

保有ゼロ・監視中

サンプルB社の確認メモ

監視する理由
事業の変化を継続して確認したい
次に確認すること
決算資料と前回の見通しを比較
自分の判断メモ
追加の情報を確認してから検討

条件・AIの回答・自分の判断を保存し、後から編集

名称・内容は説明用の架空データです。個人の保有銘柄・資産額は公開していません。個人用アプリそのものの一般公開・配布は行っていません。

AIで深掘りするときは、いつものChatGPTへ

アプリが銘柄情報と監視条件を含む依頼文を用意します。その先はChatGPTと対話し、回答をアプリに戻す半自動の流れです。

  1. STEP 1

    取り込む

    証券会社からCSVを取得し、アプリにまとめて読み込む。

  2. STEP 2

    条件を整える

    銘柄を開き、監視理由や確認条件を入力して保存する。

  3. STEP 3

    ChatGPTに相談

    銘柄情報入りのプロンプトをコピーし、別に開いたChatGPTへ貼り付ける。必要に応じて依頼を調整する。

  4. STEP 4

    回答と判断を残す

    ChatGPTの回答をアプリへ貼り戻し、自分の判断・メモと一緒に保存する。次回は読み返して更新する。

この構成では、アプリからAI分析のAPIを呼び出していません。管理を増やさないことに加え、使う量に応じて増えるAPI料金を慎重に考えたためです。まずは普段のChatGPTへコピーして相談し、日常で使ってみる。「もっと使いやすくしたい」という必要性がはっきりしたら、費用と効果を比べてAPI連携を検討します。

仕組みを知る / API連携

API連携とは? ソフトウェア同士をつなぐ仕組み

APIは、ソフトウェア同士が情報や依頼をやり取りするための窓口です。AIだけでなく、地図・決済・予約などにも使われます。ここでは、その中の「AIサービスとアプリをつなぐ場合」を説明します。このアプリでAIのAPIを使うなら、「分析する」ボタンを押すと、アプリが銘柄情報と質問をAIへ送り、返ってきた回答を画面に表示する形にできます。別のAIチャット画面を開き、コピーして貼り戻す操作を省けます。連携先のAIサービスは、必要な機能・回答の品質・費用・データの扱いを比べて選びます。

現在:自分で橋渡しする

アプリ → 自分がコピー → ChatGPTで相談 → 回答を貼り戻して保存

操作は残りますが、必要な銘柄だけを選んで、自分のペースで検討できます。

将来の選択肢:APIでつなぐ

アプリ → AIへ直接依頼 → アプリ内で回答を表示・保存

操作を減らせる一方、利用するサービスの課金方式に応じて利用量と費用を管理する必要があります。現在は未実装です。

従量課金とは? 使う量で料金が変わること

多くの商用AIサービスのテキスト生成APIでは、送る情報と生成される回答の量などに応じた従量課金が採用されています。文章量は「トークン」という単位で数えることが多く、単価は提供会社やAIモデルによって異なります。検索などの追加機能にも料金がかかる場合があります。トークン課金の場合、「1回ボタンを押すと必ず同じ金額」という仕組みではありません。なお、すべてのAPIが従量課金とは限らず、無料枠や定額・個別契約などもあるため、採用するサービスの条件を確認します。

たとえば、気になる1銘柄だけを短く相談する使い方と、多数の銘柄について長い資料を毎日送って分析する使い方では、利用量が変わります。従量課金では、自動実行や再分析の回数が増えるほど、無料枠や契約条件に応じて費用も積み上がります。APIが必ず高額になるということではなく、使い方に合わせて見積もることが大切です。

AIチャットの月額契約と、アプリから呼び出すAPIの契約・料金は、同じとは限りません。月額契約があってもAPI利用まで含まれると考えず、別途確認します。今回の具体例では、ChatGPTの月額契約とOpenAI APIの利用料金は別です。一方、現在のコピー方式にもChatGPTやSites自体の利用条件・料金・上限はあります。「すべて無料・無制限」という意味ではありません。

料金体系の公式資料の例:OpenAI APIGoogle Gemini API。導入時には、実際に選ぶ提供会社の最新の料金・利用条件を確認します。

便利さを、目的と費用に照らして選ぶ

自分一人が必要なときに確認する用途なら、まずはコピー方式で十分かを確かめます。毎日の貼り付けが負担になったり、転記漏れが起きたりして、どうしても操作を減らしたくなった段階で、API連携の価値を判断します。

  1. 1. 何が不便なのかを確かめる。 何回の操作を減らしたいのか、どれくらい時間がかかっているのかを把握します。
  2. 2. 小さく試して月の費用を見積もる。 少数の銘柄で実測し、依頼する情報量・回答の長さ・利用回数から、続けられる金額かを確認します。
  3. 3. 必要な範囲だけをつなぐ。 まずは自分が押したときだけ分析する形から。予算の通知やアプリ側の実行回数制限、重複実行の防止、送る情報と認証情報の管理も用意します。

便利だからといって、何でも連携すればよいわけではありません。目的に必要な便利さと、費用・管理の負担を比べて決める。この判断も、AIで自分の道具を作るときの大切な設計です。

実データで使って、直して初めてわかったこと

最初の画面で完成とはしませんでした。証券会社から取得した4ページ分のCSVを取り込み、表示・集計・使い勝手を一つずつ確認しています。

投資信託がゼロと表示された

CSVの途中で変わる見出しとファンド名の列を読み取れるよう修正。証券会社の集計と照合して確認しました。

評価額が見切れる・詳細が遠い

一覧の表示幅を見直し、銘柄の詳細を画面内に開く形へ変更。下の行を選んでも内容を確認できるようにしました。

売却後も追いかけたい

保有と監視を分離。更新したCSVで保有がなくなっても監視条件やメモを残し、過去の評価額は現在の資産に足さない設計にしました。

読み込み順を変えた場合、ファイルの欠落・重複、保存後の再表示、スマートフォンでの詳細表示も確認しました。見た目だけでなく、元データとの一致と継続利用を確かめる工程までが実装です。

この道具の役割と、残している判断

一覧の「確認ポイント」は、損益や資産内の比率、設定した条件に基づく整理です。AIが常時ニュースを読んで売買を判断しているわけではありません。価格はCSV取得時点のもので、リアルタイム更新や自動売買は行いません。

どのAIに依頼する場合も、出典・日付・不足情報の確認を求め、回答をそのまま結論にはしません。投資判断や売買を代行するサービスではなく、情報整理と道具づくりの実装事例です。運用収益や作業時間の改善を数値で実証した事例ではありません。

2026年冬 開校予定 / 浅間上昇AI Academy

学びにつながるのは、「自分の作業をどう分けるか」

入力する情報、機械に任せる整理、人が確認すること、次回へ残す記録。この四つを決めると、身近な作業も道具にできます。今回の事例は、小さな用途から始め、AIと作り、実際に使って改善する進め方を示しています。

同じ考え方は、顧客との面談準備、見積の比較、定期的な業務チェックにも応用できます。複数人や顧客が使う仕組みへ広げる際は、権限・情報管理・保守を含めて設計し直します。

コース・伴走内容を見る →

経営者が型をつくり、
現場が回る会社へ。

2026年冬 開校予定

自社のどの業務から始めるか、どのパッケージが合うか。30分の個別相談で、入口の切り分けから一緒に整理します。